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疲れすぎて眠れぬ夜のために/内田樹

北区・和食店居抜き、西区九条・串カツ居抜き等

 

疲れすぎて眠れぬ夜のために

内田 樹 (著)

考課査定の時期なので、「働くこと」について書かれた一節をご紹介します。

 

ビジネスは、自分自身が変化したり工夫したりしたことの結果がすぐに評価される。自分自身の仕事のクオリティがとりあえずすぐに検算できる世界です。

(略)

「レイバー」はそれとは違います。この二つは別物です。二つとも「仕事」と訳されますが、この二つは違うものです。 今の若い人たちの多くは、「仕事」というとレイバーしか知りません。

(p71)

 

「一律時給750円」という賃金は人間を腐らせます。 だって、全員が時給750円で働いていて、人より頑張っても、せいぜい「来月から時給780円ね」という程度です。マニュアル化された、誰がやっても同じような仕事をあてがわれて、そこでは仕事のクオリティを高めたり、創意工夫を凝らしたりする余地がほとんどありません。

(略)

 そうゆう仕事はビジネスではないからです。  レイバーではあるけれども、ビジネスではない。 そして人間がその能力を吟味され、努力が報われ、才能が評価されるのはビズネスの場だけなのです。

(p71、72)

 

 ではビジネスとレイバーの違いはどこにあるのか。それは「リスク」と「責任」ということにかかわってきます。(p73)

 

「リスクというのは負わされるものだ」というふうに思う人は、リスクを出来るだけ回避しようとします。  確かにリスクは回避されますが、リスクを取らない人間は同時に決定権をも回避することになります。そういう人はビジネスには参加できません。

(略)

リスクのないところに決定権はなく、決定権のない人は責任の取りようがなく、責任を取らない人間は「信義」の上に成立する社会関係にはいつまで待ってもコミットすることができないだろうということです。 (p74、76)

 

上記は『疲れすぎて眠れぬ夜のために』の第二章「働くことに疲れたら」から抜粋した文章です。

ビジネスマンでいることと、レイバーでいること、どちらが疲れないのでしょうか。同書で著者は「ワンランク下の自分を目指せと」言っています。高い目標を持つと、現実との差を埋めようと頑張りすぎて疲れてしまうと。

「責任を取る」ことは「疲れる」ことだと感じる私はビジネスマンではないのでしょう。

心労となるのは「社会関係にコミットできないこと」か、それとも「責任を取る」ことか。人によって答えは異なりそうです。。

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